格安SIMカードのすすめ

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MVNOって何?格安SIMの基本

MVNOとは、スマートフォンを格安で提供している事業者のことです。ドコモやauなどの大手キャリアから乗り換えることで、毎月のスマホ代がぐっと抑えられるのです。ふだんスマートフォンを利用している人はもちろん、ガラケーからスマートフォンにしたい人も購入を検討する価値があります。

しかし格安ときくと、なんだかあやしいと感じる人もいるでしょう。MVNOは決してあやしい業者ではありませんが、よく知らないものを信用することはできませんね。ここではMVNOとはなにか、どうして安いのか、大手キャリアとどう違うのかなど、基本的なことを説明していきます。

格安SIMとは

スマートフォンとSIMカード

SIMカードとは、通信や通話をおこなうために必要な情報が書き込まれている小さいICカードのことです。機種変更のときなど、店員さんが入れ替えているのを見たことがある人もいるのではないでしょうか。これが入っていないスマートフォンは通話やデータ通信ができません。

いままではドコモやauなどの大手キャリアと契約することで、スマートフォン本体と同時に入手していました。MVNOでは格安で、単品でも購入・利用できるのです。今まで大手キャリアで使っていた、または新たに購入したスマートフォンにセットすることで、通話やデータ通信ができるようになります。

種類

MVNOでは、データ通信専用と音声通話つき、二種類のプランを選べます。違いは電話ができるかできないかです。電話ができないのはスマホとして致命的なデメリットのようにも思えますが、ふだんあまり電話をしないという人もいるでしょう。そういう人は自分のスマートフォンの使い方に合わせたプランを選ぶことで、よりお得にスマートフォンが利用できます。

データ通信専用プラン

もっとも安く提供されているプランは、インターネットやアプリなどのデータ通信専用です。電話番号を使った電話をすることはできません。電話ができないぶん、月額料金が525円からとまさに格安なのです。

絶対に通話ができないというわけでもありません。電話のかわりに、LINEやSkypeなどアプリを利用して通話することは可能です。相手も同じアプリを使っている必要がありますが、逆にいえば同じアプリを使っている人同士で通話するなら、うってつけのプランといえます。アプリによる通話はデータ通信になるので、通話料金を気にせず長電話もできます。

スマートフォンのおもな用途はアプリやインターネットで、通話はめったにしないという人におすすめのプランです。ただし、新規契約しても電話番号がもらえないので、仕事用や緊急連絡先として使うのには不向きです。

音声通話つきプラン

音声通話つきのプランは、データ通信と音声通話が可能です。データ専用よりも月額料金が高くなりますが、スマートフォンとしての機能はすべてそろっています。もちろん高いといっても月額2,000~3,000円ほどです。大手キャリアで同じように電話とデータ通信ができるプランを選ぶと月額5,000円以上かかりますから、それより安いことは間違いありません。

ただし、通話料金は多くが30秒20円で、割引やかけ放題などのオプションがあるMVNOは限られています。そのため、よく長時間通話する人は安さを実感しづらいかもしれません。電話をする時としない時があるという人は、ふだんの通話量に合わせたオプションを選ぶことでお得にスマートフォンを利用できます。

大手キャリアからMVNOへ乗り換えるときにMNPを利用すれば、いま使っている電話番号をそのまま使うことができます。電話でのやりとりが必須な人や、いまの電話番号をそのまま使用したい人におすすめです。

格安でスマホを使うために必要なもの

  • MVNOとの契約
  • スマートフォン

まず必要なのはMVNOとの契約です。MVNOはドコモやauと同じようにスマートフォンを提供しているキャリアですので、現在のキャリアからMVNOに乗り換えることになります。

契約のとき、大手キャリアと違ってSIMカードを単品で購入することができます。スマートフォンに格安SIMをセットすることで、データ通信や通話ができるようになります。

簡単にまとめましたが、聞き慣れない言葉もあったと思います。ここからはそれぞれの用語について説明していきます。

MVNOとは

MVNOとは「Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)」の略で、格安SIMを提供している通信事業者のことです。対してドコモやauなどの大手キャリアは「MNO(移動体通信事業者)」です。

大手キャリアとのちがいは「仮想」というところですが、なにが仮想なのかというと、通信回線です。MVNOは電話やデータ通信をおこなうための無線通信回線をもっていません。ドコモやauなど、大手キャリアの通信回線を借りてサービスを提供しています。

有名なMVNOを例にあげると、 楽天モバイル です。楽天は独自の通信回線を持っていませんが、ドコモの回線を借りてスマートフォンを提供しています。楽天モバイルを利用すると、ドコモと同じ品質・エリアの通信を、ドコモより安く利用できるということです。

ただし、回線が同じでも事業者は違います。現在ドコモを利用している人が楽天モバイルに乗り換えたいのなら、ドコモを解約して 楽天モバイル と契約する必要があります。

SIMロック・フリー

基本的にはMVNOのSIMカードをスマートフォンにセットすれば、通話や通信ができるようになります。ただし、すべての機種ですぐに使えるようになるわけではありません。大手キャリアから販売されるスマートフォンには、別のキャリアでは使えないようにするプロテクトがかかっているためです。この状態をSIMロックといいます。たとえばauで購入したスマートフォンに、ドコモのSIMカードをセットして利用することはできません。

しかし2015年5月、総務省によりロック解除が義務化されました。具体的には、スマートフォンにロック解除機能が搭載されるようになりました。現在はスマートフォンを購入したキャリアで手続きをすれば、ロックを解除できます。つまり、ユーザーが自由にキャリアを乗り換えられるようになったのです。もちろんMVNOも例外ではありません。ロックを解除した状態をSIMフリーといいます。この状態になれば、格安SIMが使えるようになります。

ただし、2015年4月以前に発売された機種は、ロックが解除できません。2015年5月以降に再販されていた場合も同じです。MVNOに乗り換える前に、現在使っているスマホの発売日を調べるなどして、解除可能かどうか確認することをおすすめします。

格安スマホと白ロムは何が違う?

「格安スマホ」や「白ロム」という言葉を見た、または聞いたことがあるという人もいると思います。どちらも格安SIMを利用するために必要なものですが、どう違うのか確認しましょう。

まず格安スマホは、おもにMVNOで販売している安く利用できるスマートフォンのことをさします。正確にいうとSIMフリーのスマートフォン本体、またはSIMカードとのセットですが、各MVNOではおそらく大手キャリアと比べて安いスマホという意味で使っていると思います。MVNOではSIMカード単品かスマートフォンとのセット、どちらかを選んで購入することになります。

MVNOで購入するスマホは、最初からロックが解除されています。大手キャリアや中古ショップなどで購入したスマートフォンにロックがかかっている場合は、ロックしているキャリアのショップで解除してもらう必要があります。

一方白ロムは、もともとは端末に電話番号が書き込まれていないスマートフォンや携帯電話のことです。ただし、現在販売されているスマートフォンや携帯電話の多くは、SIMカードに電話番号などの加入者情報が記録されています。そのため、カードを抜いたスマートフォンや携帯電話を白ロムと呼ぶ場合もあります。

注意したいのは、白ロムはSIMがない状態であって、かならずしもロックが解除された状態ではないという点です。ロックのかかっている白ロムを使う場合は、白ロムとMVNOのキャリアが一致している必要があります。MVNOはドコモやauなど大手キャリアの通信回線を利用しています。そのため、auのスマートフォンをドコモでは使えないのと同じで、ロックされたauの白ロムにドコモ回線の格安SIMを挿入しても使用できないのです。

白ロムとMVNOのキャリアが違う場合は、ロックしているキャリアのショップで解除の手続きをする必要がありますが、ロック解除には料金がかかる場合があります。現在au回線のMVNOは「mineo」「UQmobile」「Fiimo」の3社のみで、この3社以外のMVNOはドコモ回線になっています。au回線の3社でドコモの白ロムを使いたい場合、またはドコモ回線のMVNOをドコモ以外の白ロムで使いたい場合は、ロック解除のため多少の出費がくわわることも覚悟しておきましょう。

MVNOが安い理由

大手キャリアとMVNO、どちらにもメリット・デメリットがあります。どちらを選ぶにしても、今までの自分のスマートフォンの使い方や料金を見直すいい機会です。現在大手キャリアのスマートフォンを使っていて、なにか不満点があるという人は、MVNOに乗り換えを考えたほうがいいかもしれません。

なぜ高い?大手キャリアのスマートフォン

そもそも大手キャリアのスマートフォンは、なぜ料金が高いのでしょうか。今までそれ以外の選択肢がなかったのだから、高いと思ったことのない人もいるかもしれません。しかしMVNOという選択肢があらわれました。

いま使っているキャリアを選んだ理由はなんでしたか?他キャリアより料金が安かった、キャンペーンがきっかけ、ほしい機種があったなど、理由はさまざまだと思います。しかしそのいずれも、広告から得た情報だったのではないでしょうか。

ずばりいうと、大手キャリアはショップや通信回線の整備、広告などに費用がかさむので、サービスが高額になっています。

品質の高いサービスに対価を支払っていると思えば、納得できる話ではあります。近くにショップがあれば気軽に利用できますし、キャリア間なら通話が無料というところもあります。通信やサービス品質の良さは、大手キャリアを利用する最大のメリットともいえます。

しかし大手キャリアの場合、単純に支払う金額のほかにも、割高という意味で高額に感じることもあります。

スマートフォンの機種代金は新しい機種ほど高額ですが、大手キャリアでは2年ごとに機種変更をすれば機種代金が割引になります。しかし2年以上長く使いたい人も、もっと早く機種変更したい人もいるでしょう。ところが実際にそうすると、高額の違約金をとられてしまいます。

また、用意されたプランから選んで契約し、それに応じて月額料金が決まります。そのためキャリアが用意したルールやプラン内容が自分の使い方に合っていないと、「不自由なのに高額」と割高感があるのです。

なぜ安い?MVNO

スマホを大手キャリアで契約すると高額になりますが、MVNOで契約することで格安になります。ですが、MVNOの通信回線は大手キャリアから借りたものです。ふつう業者と客のあいだに別の業者がはさまると、かえって高額になります。なぜMVNOでは、格安でスマートフォンが利用できるのでしょうか。その理由はMVNOの経営のしかたにあります。

MVNOはおもにインターネット上で契約をおこない、商品は契約者に郵送します。その後のサポートや手続きなども基本的にインターネット上でおこないます。また、サービスそのものも、他社の通信回線を借りてユーザーに提供しています。

つまり、MVNOはショップや通信回線の新設や整備をする必要がありません。そのぶんコストを抑えられ、ユーザーに安くサービスを提供することができるのです。

自分の使い方に合わせられる「割安感」も、MVNOの魅力のひとつです。MVNOにはいわゆる「2年縛り」などのルールがありません。SIMフリーのスマートフォンなら、MVNOからの乗り換えも自由です。「不自由なのに高額」という大手キャリアの不満点を解消したのがMVNOなのです。

慎重な人は、ショップがないことやインターネット上の契約を不安に思うかもしれません。もちろんそこは注意しておく必要があります。格安スマホは基本的に契約や設定を自分でおこなうため、スマホの仕組みを理解していないと困ることもあるかもしれません。

最近はMVNOでもサポートを充実させているところも増えてきていますので、信頼できるMVNOを見きわめることが重要です。スマホの仕組みに慣れている人なら、サポート面でのデメリットを気にせずに、スマホをお得に利用できるでしょう。

基本知識まとめ

  • 格安SIMはMVNOで購入できる格安のICカード
  • MVNOは大手キャリアの回線を利用した格安の通信業者
  • 利用するにはMVNO回線とキャリアが同じスマートフォンが必要
  • 通話をあまりしない人におすすめ
  • 自分に合わせた料金プランや機種が選べる

MVNOの基本は理解していただけたでしょうか。MVNOは数が多いため、乗り換えたくてもどこを選ぶべきか迷ってしまうかと思います。重要なのは各MVNOについてくわしく知ることです。このページで説明しきれなかったことは、別のページで改めて解説しています。ぜひ確認して、各MVNOの特徴と自分のスマホの使い方を照らしあわせてみてください。自分の使い方に合ったMVNOに乗り換えれば、今よりお得にスマホを利用できるはずです。

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更新履歴

2017-08-03
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