格安SIMカードのすすめ

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データ通信専用プランと音声通話プラン

格安SIMにはデータ通信専用プラン音声通話つきプランの2種類があります。その違いは電話ができるかできないかです。この違いは格安SIM選びの重要なポイントで、どちらを選ぶかで本当に安く、快適にスマホを利用できるかが決まります。

現在ガラケーやスマートフォンを使っている人は、自分がどういう使い方をしているかを思い返してみてください。初めてスマートフォンを持つという人は、スマートフォンをどう活用したいかを考えてみてください。

格安SIMのプランを選ぶポイントは、「電話番号が必要か」「電話をよくかけるか」のふたつです。スマホをよりお得に利用するために重要なことですので、自分のスマホの使い方と、ふたつのプランの特徴をきちんと確認しておきましょう。

データ通信専用プラン

MVNOの基本となるプランで、特徴は「電話ができない」「とにかく安い」の二点です。もっとも安いところだと、月額525円から利用できます。いままで大手キャリアを利用して、毎月5,000円以上支払っていた人にとってはまさに格安でしょう。

なぜこんなに安いのかというと、電話ができないからです。データ通信専用プランで利用できるのはインターネットやアプリなどのデータ通信のみです。新しい電話番号ももらえないので、仕事や会員登録などの連絡先として使うことはできません。携帯電話としては致命的なデメリットにも思えますが、ふだんあまり電話をしない人にはピッタリのプランです。

データ通信専用プランのなかにも、2GBとか4GBとかの種類があります。これは月に使用可能な通信量のことで、数字が大きいほど長くインターネットやアプリを使うことができます。MVNOによって1GB~10GBまでさまざまなプランがあり、よくデータ通信をするという人も、あまりしないという人も、自分に合わせたプランを選ぶことができます。

データ通信専用プランでも電話ができる!?

いくら安くても、やっぱり電話ができないのは不便だと思う人もいるでしょう。たしかに電話番号を使った通話はできませんが、通話アプリなどを使えばデータ通信による通話ができます。

LINEやSkypeなど、多くのコミュニケーションアプリには通話機能が搭載されています。相手も同じアプリを使用していることが前提になりますが、家族や友人との連絡手段としてならアプリによる通話でも問題ないと思います。データ通信によって音声をやりとりするので、通話料金はかかりません。そのかわりに通信料金がかかりますので、通話アプリを多く利用するつもりの人は、料金プランを選ぶときの参考にするといいでしょう。

どうしても電話番号を使った電話をしたいときは、IP電話サービスを利用します。IP電話とは、インターネット通信を利用して電話ができるサービスです。NTTの「050 Plus」や、「SMARTalk」などのIP電話サービスに申し込むと、050ではじまる電話番号がもらえます。ふつうに電話するよりも通話料金が安いのが特徴です。アプリにもよりますが、30秒20円のところ少なくとも半額以下になります。

ただし通話アプリもIP電話もデータ通信を利用しているため、通話品質がネットワーク環境に左右されます。Wi-Fi環境がない場所などで通話するときは、音質が悪くなったり通信が途切れたりすることがあります。重要な電話の最中にノイズが入ったり、途中で切れたりしては大変です。重要な電話はメインのスマホを使い、インターネットやアプリはデータ通信専用プランで利用するなど、使い分けが重要になるでしょう。

データ通信専用プランでSMSはできる?

データ通信専用プランはSMS(ショートメール)も利用できません。050のIP電話番号を取得しても同様です。アプリやウェブサイトにはSMS認証が必要なものもあり、それらが利用できなくなる点には注意が必要です。

SMSは電話番号宛てに70文字(ドコモは670文字)までの短いメッセージを送る機能です。メールアドレスを知らなくてもメッセージが送れますし、変更しやすいメールアドレスにくらべて確実に届くので便利な機能です。

SMSつきデータ通信専用プランを用意しているMVNOもあります。その場合SMS専用の番号がもらえますが、この番号で電話はできません。

音声通話プラン

データ通信と音声通話ができるプランです。いままでの携帯電話やスマートフォンのように電話番号をつかって電話をしたい場合は、このプランを選びます。MVNOによって差はありますが、だいたい月額2,000円から利用できます。通話容量に応じたいろいろなプランがあるので、毎月の通話時間とくらべてムダのないプランを選べば、最大限お得にスマホが利用できます。

音声通話プランを選ぶメリットのひとつは電話番号です。音声通話プランを契約すると、新しい電話番号がもらえます。プライベートと仕事で電話番号を使い分けたい人などにおすすめです。電話番号はいくつか提示された中から選べるところと選べないところがあり、多くは070ではじまる電話番号になるようです。

現在大手キャリアと契約しているなら、MNPを利用すればいま使っている電話番号をそのまま使うこともできます。通話やSMSができるのはもちろん、連絡先の変更もする必要がないので、スマートフォンの使い勝手はそのままに、毎月の月額料金をおさえることができます。

音声通話プランの注意点は、通話料金が高いことと、割引プランがあまり豊富ではないことです。基本の通話料金が30秒あたり20円となっており、大手キャリアにあるようなキャリア間割や家族割があるMVNOはまだ多くありません。楽天モバイルなどは5分間の通話が無料になるオプションを用意していますが、よく長時間電話をするという人は、MVNOに乗り換えてもあまり安さを実感できないかもしれません。

また、音声通話プランはデータ通信専用プランにくらべて乗り換えに制約があります。データ通信専用プランの場合、極端にいうと購入した次の日に解約しても、ペナルティはありません。しかし音声通話プランはだいたいのMVNOで半年~1年程度使いつづける必要があり、それより早く解約すると契約解除料が発生します。ほとんどの人が1年くらいは使いつづけると思いますが、念のため覚えておいたほうがいいでしょう。

110番できない!?通話アプリの注意点

データ通信専用プランと音声通話プランの違いを理解して、自分はあまり電話をかけないからデータ通信専用プランでいいという人もいるでしょう。しかしデータ通信専用プランには、通話アプリを使っても克服できない注意点があるのです。

その注意点とは、110番や119番などの緊急通報ができないということです。固定電話などから110番や119番にかけると、自動的に最寄りの消防や救急の本部につながります。しかしIP電話は、警察や消防とのあいだに専用回線がないため、つながらないようになっています。

もちろん市外局番から入力して直接消防や救急にかけることはできますし、通話アプリがあるように、緊急通報が可能なアプリもあります。しかし、そもそも110番や119番はとっさに思い出せるように覚えやすく短い番号が設定されています。緊急事態にとっさに慣れない番号やアプリで連絡ができるか、ということは考えておく必要があるでしょう。

また、通話アプリはフリーダイヤルにかけることもできません。フリーダイヤルが対応しているのが電話回線のみであるためで、データ通信を利用している通話アプリやIP電話からはかけられないのです。メーカーや配送会社などの大きな会社は、問い合わせ窓口をフリーダイヤルにしているところが多く、問い合わせのときに困るかもしれません。

しかし同時にIP電話などからもかけられる有料の電話番号も併設しているところがほとんどですので、「通常の電話番号より有料な場合が多い」くらいの認識でいいでしょう。

どちらを選ぶ?データ通信専用プランと音声通話プラン

データ通信専用プランと音声通話プラン、どちらを選ぶか迷ってしまうかもしれません。最終的には、スマートフォンをどういう使い方をしたいかで決めることになります。ここで、ふたつのプランの違いをおさらいしましょう。

データ通信専用プラン 音声通話プラン
データ通信
電話・SMS
(アプリで代用。SMS付きSIMあり)
電話番号
(IP電話で代用)
緊急通報・フリーダイヤル ×
月額料金 525円~ 2,000円~

あわせて「格安SIMのメリット・デメリット」もごらんください。

データ通信専用プラン向きの人

  • 電話はあまりかけない
  • とにかく安くしたい
  • メインのスマホやガラケーと2台持ちしたい

どちらが安いかでいえば、データ通信専用プランです。もっとも通信量の少ないプランなら月額525円から利用できるところもあります。電話ができないというデメリットがありますが、通話などたいていのことは各種アプリで解決できます。

しかし格安SIMが唯一の連絡手段になる場合は注意が必要です。履歴書や会員登録など、なにかと電話番号が必要になる機会も多いと思います。アプリ通話だと電話番号が存在しないため、連絡先として電話番号を登録することができません。

ふだん使わなくても、いざというときに必要になるのが電話です。もちろんIP電話を利用してもいいのですが、緊急通報やフリーダイヤルが利用できないなど、思わぬ落とし穴があります。そのため、基本的にデータ通信専用プランは自宅に固定電話がある人か、ガラケーやメインのスマホと2台持ち予定の人におすすめです。

音声通話プラン向きの人

  • いまのスマートフォンと同じように使って、安くしたい
  • 新しい電話番号がほしい
  • 自宅や職場にネットワーク環境がない

連絡手段としてスマホを使いたいのなら、音声通話プランを選んだほうがいいでしょう。MNPで電話番号を引き継ぐか、新規で電話番号がもらえるMVNOをえらべば、機能面でのデメリットなく毎月の出費をおさえることができます。

データ通信専用プランか音声通話プランか、どうしても選べない場合は、音声通話プランをおすすめします。データ通信専用プランよりは高いですが、そのぶんスマートフォンとしての機能はすべてそろっており、大手キャリアとくらべれば確実に安いです。まず音声通話プランをしばらく利用してみて、音声通話が必要ないと思ったらデータ通信専用プランに変更するという段階的な乗り換えも可能です。サポート面で不都合があった場合は、大手キャリアに戻るという選択肢もあるでしょう。

いずれにしても電話をするかしないかが、格安SIM選びの最大のポイントになります。いくら安くても必要な機能がつかえないのは困りますし、必要ないのに音声通話プランを選んでもムダになってしまいます。ムダなくお得にスマホをつかうために、MVNOに乗り換えるときはプランをよく考えて選びましょう。

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2017-08-03
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