格安SIMカードのすすめ

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格安SIMへの乗り換えかた

大手キャリアから音声通話SIMに乗り換えるときは、MNPを利用することをおすすめします。MNPをすると今まで使っていた電話番号がそのまま使えるのはもちろん、解約手続きもする必要がないので、すぐに今までどおりスマホが使えます。

MNPを利用して乗り換えるときのおおまかな手順は、どのキャリアの場合も同じです。

  1. MNP予約番号を取得する
  2. MVNOサイトで申し込む
  3. 格安SIMの設定をおこなう

MNP予約番号を取得する

MNPをするには、まず現在使っているキャリアでMNP予約番号を取得する必要があります。MNP予約番号は、MVNOに申し込むときに電話番号と一緒に入力します。

MNP予約番号はショップのほか、電話やネットでも取得できます。MNP予約番号の発行は無料ですが、MNP転出(乗り換え)が完了すると今まで利用していたキャリアに対して転出手数料が発生します。だいたい2,000~3,000円で、翌月に利用料金と一緒に請求されるか、またはショップで支払います。

MNP予約番号には15日間の使用期限があります。15日を過ぎると取得した予約番号は無効になってしまい、もう一度MNPしたいときは再発行してもらう必要があります。なら15日目に申し込んでもいいかというと、そうでもありません。

ほとんどのMVNOでは、ある程度の日数以上有効期限が残っている予約番号でなければならないというルールになっています。日数はMVNOによって違いますが、13日以上有効期限が残っていないとMNPできないというところもあります。MNP予約番号を取得したらできるだけ早く、遅くても2日以内には申し込むようにしましょう。

MNPによる解約の場合、MVNOとの新規契約が完了すると自動で解約完了となります。ショップに行って解約手続きをする必要はありません。

格安SIMを手に入れるまでにやっておくこと

MVNOに申し込んで格安SIMを手に入れるまでに、やっておくべき確認と準備があります。今までどおり快適にスマホを使うために重要なことです。格安SIMが届いてからあわてることがないよう、しっかり準備をしてから乗り換えましょう。

回線の確認

まず、契約したいMVNOの回線がドコモなのかauなのか確認しましょう。MVNOの回線にはドコモ系とau系があり、格安SIMを利用するには、スマホ端末のキャリアとMVNOの回線キャリアが一致している必要があります。

もしスマホがauでMVNOがドコモなら、auショップでSIMロックを解除してもらいましょう。SIMロックを解除すれば、違うキャリアの回線でも利用できるようになります。いま使っているスマホがドコモで、MVNOもドコモ系なら何もする必要はありません。SIMカードを入れ替えるだけで使えます。

au系のMVNOもありますが、2016年9月現在「mineo」「UQ mobile」「Fiimo」の3社のみです。auで購入した端末でこの3社以外の格安SIMを使いたいのなら、SIMロックを解除しなければなりません。SIMロックについてくわしくは「抑えておきたい格安SIMカードの基本、MVNOって何?」の「格安SIMを使うには」の項目をごらんください。

SIMロックを解除するときはショップかWEBで申し込みます。ただしすべての機種が解除できるわけではなく、申し込み方法もキャリアによって違います。各キャリアの手数料を表にまとめました。

ショップ 電話 オンライン 2015年4月以前に
発売された端末
ドコモ 3,000円 3,000円 無料 3,000円(ショップのみ)
au 3,000円 - 無料 -
ソフトバンク 3,000円 - 無料(条件あり) 3,000円(ショップのみ)
Y!mobile 3,000円 - 無料 -

SIMロック解除が義務化されたのは2015年5月からで、2015年4月までに発売された機種にはSIMロックを解除できる機能がついていません。「発売」であって「購入」ではないところに注意です。2015年4月以前に発売された機種をSIMロック解除できるのはドコモとソフトバンクのみで、ショップでしか受け付けていません。

ショップで解除を依頼すると店員さんが代行してくれますが、どのキャリアでも3,000円の手数料がかかります。WEBでの申し込みはどのキャリアも無料になっています。解除方法は簡単ですし、ショップだと待ち時間や本人確認などの手間もあるので、基本的にはWEBで申し込むのがいいでしょう。ドコモだけは電話での申し込みも有料で受け付けているようです。電話で説明を受けながら作業をおこなえるメリットがあります。

メールアドレスの取得

大手キャリアを解約すると、キャリアメールが使えなくなります。MVNOによっては新しくメールアドレスをもらえるところもありますが、もらえない場合は事前にフリーメールアドレスを取得しておきましょう。格安SIMが届く前に知人や会員登録しているショップなどに新しく取得したメールアドレス変更を知らせておけば、乗り換え後に連絡が取れなくなってあわてる心配がありません。

とくに注意したいのが、MVNOからの連絡は基本的にメールで送られてくるということです。格安SIMに乗り換えるまでに、多かれ少なかれキャリアメールが使えない期間が発生するのですが、その間もメールで連絡がきます。その後の手続きなどの格安SIMを使うために重要な内容ですので、連絡が受け取れないことがないようにかならず事前にフリーメールを取得しておきましょう。

またキャリアメールが使えなくなると同時に、送受信したメールも閲覧できなくなります。アドレス帳だけでなく、重要なメールがあればそのバックアップも忘れずにとっておきましょう。

データ移行

新しく端末を購入する場合は、画像や音楽などのファイルも移動させる必要があるでしょう。いま使っているスマホに格安SIMを挿して利用するのなら必要ありません。

もっとも簡単で確実にデータを移動できるのは、microSDカードにデータを保存して新しい端末に移しかえる方法です。ただ、動画などファイルサイズの大きいデータが多い場合は、手持ちのmicroSDカードには保存しきれないこともあると思います。容量の大きいmicroSDを買い足してもいいですが、できることなら無料で済ませたいでしょう。

DropboxやOnedriveなど無料のオンラインストレージを利用するのがおすすめです。クラウド上にデータを保存しておけば、新しいスマホやパソコンからもデータにアクセスできます。iPhoneを使っているなら、iTunesやiCloudでもバックアップが作成できます。

アプリデータの引き継ぎ

ゲームアプリなどは、端末を変えてダウンロードしなおすとこれまでのデータが消えます。データを消さないために、引き継ぎ設定をしてから乗り換えましょう。引き継ぎ方法はアプリごとに違います。多くはIDやパスワードを設定して新しい端末でログインするものか、引き継ぎ用パスワードが発行されるものかのいずれかだと思います。

各アプリのヘルプなどに説明がありますので、よく利用するアプリは引き継ぎ方法を確認しておきましょう。

格安SIMの設定をおこなう

格安SIMが届いたらすぐにやるべき設定がふたつあります。APN構成プロファイルの設定と、回線の切り替え手続きです。APN構成プロファイルの設定は端末側の設定、回線切り替えはキャリアの変更です。これだけ聞くと難しそうですが、作業自体は単純です。

APN設定

同封されている書類にしたがってAPN構成プロファイルの設定をおこないます。この設定はWi-Fi環境があるところでおこなってください。

APN(アクセスポイントネーム)構成プロファイルとは、キャリアの回線にアクセスするために必要な設定のことです。回線を指定して、ユーザー名・パスワードなどを入力します。大手キャリアで使用していたプロファイルを削除して、MVNOのプロファイルを設定することで、格安SIMが使えるようになります。Android端末やWindows端末は、ユーザー名やパスワードなどをMVNOの説明にしたがって入力して設定します。

iOSの場合は、MVNOが用意したプロファイルをインストールします。インストールするためにはMVNOのサイトにアクセスする必要があります。つまりインターネットがつながっている必要があるのですが、大手キャリアのプロファイルを削除した時点でいままでのデータ通信は使えなくなっています。絶対にWi-Fi環境があるところでおこないましょう。

回線切り替え

つづいて回線切り替え手続きです。契約したMVNOのサイトで手続きをおこなうと、MVNOとの契約が完了し、以前のキャリアが解約されます。

乗り換えのとき、多かれ少なかれスマホが使えなくなる期間が発生します。問題はいつ・どれくらいスマホが使えなくなるかです。少し前までは、格安SIMに乗り換えると数日スマホが使えなくなるのが一般的でした。インターネットで申し込むと自動で回線がMVNOに切り替わるものの、肝心のSIMカードが届くのに数日かかるためです。そのあいだ代わりの電話やインターネット環境があればいいのですが、スマホが唯一の通信手段なら数日も使えなくなるのは困ります。

最近は最短1時間で開通する方法もあります。「届け出方式」とも呼ばれ、この方法だと回線切り替え手続きをおこなうまでは、電話もデータ通信もできます。SIMカードが届いてからインターネットで申請することで回線手続きが完了します。ただしすぐ使えるわけではなく、手続きから通話や通信ができるようになるまでは、MVNOにもよりますがだいたい1~2時間ほどかかります。

届け出方式の場合、MNP予約番号の有効期限にも注意が必要です。予約番号を使用するタイミングは申し込みの時ですが、「届け出方式」だと実際に回線を切り替えるのはSIMカードが届いてからになります。つまり、SIMカードが届いた時点で有効期限内である必要があるのです。申し込むときは有効期限の残りの日数に気をつけましょう。

回線切り替え手続きがどちらの方法なのかは、MVNOによって違います。契約したいMVNOに不通期間があるのかどうか、確認してから申し込んだほうがいいでしょう。キャリアごとのMNPの手順はこちらからご確認ください。

更新履歴

2017-08-03
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