通話料金を抑える節約術
三大キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)からMVNOへの乗り換えを検討しているほとんどの人は、その月額料金の安さに興味をもったと思います。現在支払いしている金額が1/3に節約できるとなれば、多くの人が試してみようと思うのは当然です。
しかし、すべての人が大手キャリアを使用していた頃より必ずしも安くなるとは言えません。その理由は通話料金です。各MVNOが提供する格安SIMの月額料金はキャリアより安いですが、通話料金まで安くはありません。
MVNOを使用する場合のデメリットとして、通話料金が高いことが挙げられますが、その料金は30秒で20円程度です。実は各キャリアと変わらないのですが、よく考えると違うことがわかります。大手キャリアでは、特定の時間帯に同じキャリア同士の通話であれば無料になるなど、プランしだいで無料通話時間などがあるためです。この違いを考慮せず長電話ばかりしてしまうと、せっかくMVNOに変えたのに月額料金が変わらない、むしろ上がったということになりかねません。
そこで、このページでは通話料金を抑えるのに効果のある手段を紹介します。参考にしていただければさいわいです。
普通に電話をかける人は減少している
総務省が2015年に「通信量からみた我が国の音声通信利用状況-平成26年度における利用状況-」という資料を発表しました。この資料から二つのことがわかります。一つは携帯電話をかける回数が減っていること、もう一つは通話時間も短くなっていることです。この結果になった原因として、各SNSの発達と普及により連絡やコミュニケーションの手段が変わったためだという説があります。
TwitterやFaceBookで、連絡や情報共有をすることは、いまやめずらしくありません。LINEを使って友人とコミュニケーションを取る人もたくさんいます。うまくSNSを使えば、「今日こんなことがあってさ」と近況報告のために電話をかける回数も減らせるのです。まだSNSを使ったことがないという人は、使いなれている友人に相談してみてください。最初は使いかたがわからず戸惑うこともありますが、使いなれれば便利さや楽しさ、何よりも電話をしなくてすむことに気づくと思います。
もちろん、どうしても電話がいいという場合もあると思います。そういうときはアプリを活用しましょう。スマホのアプリの中には、同じアプリを入れている同士なら、無料で音声通話ができるものがあります。また、アプリを介して電話をすることで、通話料金を割り引いてくれるサービスもあります。
大手キャリアからMVNOへ乗り換えるだけでも月額料金をかなり減らせますが、SNSと通話アプリを導入すればさらに通話料金を抑えられるのです。そこで、通話料金を下げるのに有効なアプリを紹介します。
アプリを使って通話料金を節約しよう
MVNOでスマホを快適に使うコツは、アプリを活用することです。ここでは通話料金を抑えるのに有効なアプリを5つ紹介します。ぜひダウンロードして、通話料金の節約に役立ててください。
- 通話料金不要 LINE
すでに多くの人が知っていると思いますが、LINEを紹介します。ポイントはトークだけでなく、無料で音声通話もできるところです。無料通話を利用するには友だち登録が必要です。友だち登録が完了したら、友だちのプロフィール画面で「無料通話」を押すだけです。あくまでデータ通信ですので、電話と比べると通話音質が良いとは言えませんが、無料で通話できることを考えれば文句は言えません。友人や家族を全員友だち登録しておけば、かなりの通話料金を節約できるはずです。
- 安心の老舗 Skype
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学生の間での知名度でいえばLINEのほうが高いかもしれませんが、友達同士なら無料通話が可能なアプリといえばSkypeです。もともとインターネット通信を利用した通話サービスですので、通話品質はLINEよりもSkypeのほうが断然良いです。トークよりも通話がしたい人には、LINEよりもSkypeをおすすめします。
無料通話をするにはLINEと同じように友だち登録が必要ですが、友だち登録をしていないスマホへ電話をかける場合でも、Skypeを使えば1分あたり20円です。またSkypeクレジットという事前に料金を支払う方式をとっているため、電話をしすぎるという心配をしなくていいのも安心して利用できるポイントのひとつです。
- クリアな音質が評判 Vider
ここで紹介するアプリの中では一番知名度が低いアプリだと思います。しかし知名度がないのは日本だけで、世界では7億人以上の登録者がいるアプリです。簡単にいうとLINEのようなアプリで、トークや通話を無料で利用できます。トークではステッカーというLINEでいうスタンプも使えて、LINEを使ったことがある人ならすぐに使いこなせるでしょう。このアプリで特に推したい魅力は音質です。Vider以外の無料通話アプリを使っていたユーザーがその差にびっくりしたという評価をレビューで確認できるほど、通話品質が良いです。LINEを使い慣れていて、無料通話がしたい人におすすめです。
- 通話料金大幅カット SMARTalk
フュージョン・コミュニケーションズという会社が提供しており、データ通信SIMでの使用も可能で、電話網とインターネットを組み合わせたサービスです。一般的なMVNOの通話時間の料金は30秒あたり20円ですが、SMARTalkは30秒あたり8円という値段を実現しています。他にも050番号の付与や通話の録音、留守番電話に着信転送などが無料で使用可能です。MVNOの通話料金を下げたい人は、導入の検討をおすすめします。
- 大手の安心感 楽天でんわ
楽天グループが提供しているサービスです。楽天でんわアプリから電話をかけることで、通話料金が30秒10円と相場の半額になります。データ通信ではなく、NTTや大手キャリアなどの電話回線を使用しています。そのためデータ通信専用SIMでは利用できませんが、IP電話に比べて通話品質が良いのがポイントです。
支払い額100円ごとに楽天スーパーポイントが還元されるという、楽天ならではのメリットもあります。初期費用や月額料金もかからないので、楽天カードを利用している人にはぜひ使ってほしいアプリです。電話の相手先に表示される番号もIP電話と違い050ではなく、携帯電話番号がそのまま表示されます。
おすすめの通話料金節約アプリを5つ紹介しましたが、このほかにも節約に役立つアプリはたくさんあります。これらのアプリをうまく使えば、通話料金をかなり抑えることが可能です。せっかく格安SIMを使うのなら、通話料金にも気をかけてとことん節約したほうが高い満足度を得られますよ。
通話料金を気にしたくない人は2台持ち
通話料金を気にしながら電話するのはイヤだという人や、いっそ通話料金も定額にしたいという人におすすめなのが、ガラケーとの2台持ちです。ガラケーとはガラパゴス携帯の略称で、スマホが販売される前に日本で販売されていた携帯電話です。文字どおり携帯できる電話なので、多機能なスマホよりも料金的に無駄がありません。ガラケーでは通話のみをおこない、インターネットの閲覧やアプリのダウンロードはスマホでおこなうというスタイルです。
手元にガラケーがない場合は、ガラケーの白ロムを購入する必要があります。白ロムとはSIMカードが入っていないSIMフリー端末のことをいいます。ガラケーの白ロムは、大手家電量販店やネットショップで購入することが可能です。
ガラケーと組み合わせる端末は必ずスマホである必要はありません。SIMフリーならタブレットでも大丈夫です。各MVNOでもタブレットとSIMをセットにした商品がありますので、それぞれのサイトを確認してみましょう。気に入るセットがあるかもしれません。
本当に安いの?
スマホもガラケーも持っていない場合は、初期投資にお金がかかります。また、大手キャリアとMVNO両方に契約が必要で、手続きに時間もかかります。しかし国内通話し放題になりデータ通信も十分な容量を確保できるため、この組み合わせを選択する人は少なくありません。格安SIMとガラケーで国内通話し放題のプランを合わせると、月にかかる値段は以下のようになります。
- 格安スマホまたはタブレット+データ通信専用SIM 月900円前後(月3GB)
- 大手キャリアのガラケーの国内通話し放題プラン 月2,200円前後
端末の2台持ちは、人によっては面倒な選択肢かもしれません。しかし3,000円前後でこれだけのサービスを受けられるプランは、各MVNOを探しても見つけられません。ガラケーを所持している人には、ぜひおすすめしたい使用法です。つづいて各キャリアの国内電話し放題のプランを説明します。
- 電話し放題プラン:ドコモ
- ドコモでは、カケホーダイプランとカケホーダイプラン ライトという基本プランを取り扱っています。カケホーダイプランは、国内の通話が24時間し放題で月額2,700円です。カケホーダイプラン ライトでは1回の通話で5分以内の通話が無料になり、月額1,700円です。
- 電話し放題プラン:au
- auではカケホ(電話カケ放題プラン/ケータイ)とプランZシンプルいう料金プランを取りあつかっています。カケホ(電話カケ放題プラン/ケータイ)は月額2,200円の電話し放題プランです。プランZシンプルはau同士であれば1時から21時までの通話が無料で、SMSは24時間無料になっています。
- 電話し放題プラン:ソフトバンク
- ソフトバンクには通話し放題プラン(ケータイ)があります。月額2,200円です。
キャリア契約であることを忘れずに
大手キャリアのガラケーと2台持ちをする場合、2年縛りが発生することを忘れてはいけません。2年間経過する前に解約すると、契約解除料を支払わなければなりません。申し込む前に2年間使いつづけるのか、いま一度考えてみることをおすすめします。
新しい選択肢 デュアルスタンバイスマホ
2台持ちなら料金も定額でわかりやすいけど、端末を2つ持ち歩くのは面倒くさいと感じる人もいるでしょう。そんな人たちに朗報です。キャリアとMVNOのSIM両方を同時にセットできるデュアルスタンバイという機能があります。
デュエルスタンバイ機能を持ったスマホはSIMを2枚セットできるつくりになっており、もちろんSIMフリー端末です。つまり1台のスマホで2つのキャリアを同時に利用できるのです。以前はこの機能に対応したスマホが販売されているのは海外のみで、日本で手に入れたい場合は海外から個人輸入するしかありませんでした。
しかし、今年になって日本のMVNOもデュアルスタンバイに対応したスマホを取りあつかい始めたのです。また、日本でも多くのMVNO会社が取り扱っている海外のスマホシリーズがデュアルスタンバイへ対応すると予測されています。2016年の後半からは各MVNO会社からデュアルスタンバイに対応したスマホが続々リリースする可能性が出てきました。気になる人は各MVNOのサイトをチェックしておきましょう。
デュアルスタンバイスマホの買い時は?
日本でもデュアルスタンバイ対応スマホが販売されはじめたといっても、いますぐの購入はおすすめできません。理由としてはまだ販売されはじめたばかりなので、どのような問題が発生するか分からないためです。どうしても手に入れたい場合はある程度のリスクを覚悟して購入しましょう。
買い時としては各MVNOでデュアルスタンバイ対応のスマホが出そろうと予測できる2017年頃です。 同じ端末を扱うMVNOがセールやキャンペーンで価格競争を始める可能性もありますから、よりお得に購入できるかもしれません。
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更新履歴
- 2017-08-03
- スマホランキング記事公開